漫画界の鬼才、藤本タツキ氏の原点に迫る! 『チェンソーマン』で世界を熱狂させた彼の、知られざる初期読み切り作品をご紹介します。これら4作品には、後の大ヒット作に繋がる狂気と純粋さが凝縮されています。それぞれのエピソードの結末は触れずにご紹介するので、原作未読勢に安心な内容です。藤本先生の独特な世界観を、ぜひこの機会に覗いてみてください。
絶体絶命のサバイバル!『庭には二羽ニワトリがいた。』あらすじ
2019年、突如現れた宇宙人によって人類は絶滅の危機に瀕していた。戦争は一方的なものとなり、ほとんどの人間は宇宙人の食料にされてしまったのだ。
そんな中、主人公のユウトとアミは、ニワトリの着ぐるみを被ることで生き延びる。幸いにも宇宙人にはニワトリを食べる習慣がなく、二人は学校の庭で「家禽」として飼育されることになる。
だが、その平和は突如として崩壊する。ニワトリを食べる食文化のある異星から、転校生がやってきたのだ。
正体がバレれば、死が待っている。ユウトとアミは生き延びることができるか──

うおお、この設定めっちゃ面白いじゃん!ニワトリの着ぐるみで宇宙人から身を隠すなんて、意外性があるよね。しかも「宇宙人はニワトリを食べない」っていうルールが効いててさ、そこで生き残るユウトとアミに、すごくワクワクした!
ボクだったら、絶対途中でバレちゃって気絶してると思う(笑)。でも二人は学校の庭で小屋暮らしとか、なんか修学旅行の延長みたいな感じで、ちょっと楽しそうに見えちゃった。

ちょっと待ってよ!宇宙人たち、勝手に人間を食料扱いするなんて許せない!めちゃくちゃ理不尽だし、読んでて腹が立った!陽平みたいに少しは考えてくれるキャラもいるけど、大多数はただの「食う側」なんだよね。人間の尊厳を踏みにじる存在に対して、私は「絶対負けるな!」って心の中で叫んでた。
『庭には二羽ニワトリがいた。』主要キャラクターリスト
- 陽平:宇宙人の学生。考え深い性格で学校では飼育係をしている。
- ユウト:鶏に変装して学校の飼育小屋で暮らす少年。アミを守ろうとする。
- アミ:鶏に変装して学校の飼育小屋で暮らしている少女。結構前向きな性格。

ボク的に熱かったのは、ユウトがアミを守ろうとするところ!ただ一緒に着ぐるみ着て隠れてるだけじゃなくて、「絶対守る」っていう気持ちがにじみ出てたんだよね。
宇宙人との戦いとか、でっかいスケールの話なのに、二人の関係はすごく小さな日常の絆みたいで、そこがグッときた!友情なのか恋なのか、その境目にある感じも青春っぽくてイイ!

お話の中で救いだと思ったのは、ユウト君とアミちゃんが一緒にいることでした。どんなに恐ろしくても、そばに誰かがいるだけで人は強くなれるんだと思います。ユウト君がアミちゃんを守ろうとする気持ちも、アミちゃんの明るさでユウト君を支える姿も、とても大きな光に見えました…。
『庭には二羽ニワトリがいた。』名セリフ リスト
べっ…べ!
別にあんたのためにまってるんじゃないんだからね! (萌美)
あー、また給食に人間でないかなぁ… (陽介)
…君たち人間だよね (陽平)
予測不能の学園サスペンス!『佐々木くんが銃弾止めた』あらすじ
春休み、憧れの川口先生に会いたい一心で補習に自主参加した男子学生・佐々木。だが、幸せな時間は一変、教室に響く銃声と共にかつて先生に振られた男が乗り込んでくる。
男の名は桑野。川口先生にフラれた事が原因で落ちぶれたと語り、銃口を川口先生に向ける。生徒を助けようと「自分には何をしてもいい」と懇願する先生。桑野は欲望のままに「抱かせろ」と要求する。
自分にとって‟女神”である先生を、狂気に満ちた男から救うため、佐々木は決死の覚悟で立ち向かう!

うおおー!佐々木くん、ほんとヤバいくらいカッコよかったなぁ!だって普通の男子高生だよ?春休みの補習に先生会いたさで来たのに、急に銃持った男が教室に乱入するなんて、ボクなら絶対隠れて震えてたと思う。
でも佐々木くんは違ったんだよね。大好きな先生を「女神」みたいに思ってて、その先生が危ないってなったら迷わず前に出た!怖さとか命の危険とかより、「守りたい」って気持ちが全部勝っちゃったんだ。こういうときに本当のヒーロー性って出るんだろうな。
しかも、彼の夢は「月に行くこと」でさ、父親が宇宙飛行士だったっていうバックボーンも熱い!大切なものを守る勇気と、夢に向かって突き進む勇気って、実は同じ根っこから出てるのかも。ボクもこんなふうに誰かを守れる人間になりたいな!

桑野に対しては、もう怒りしかない!好きな人に振られたからって、自分の人生を壊して、さらに相手をも壊そうとするなんて最低すぎる!読んでいて本当に腹が立った。
「抱かせろ」なんて要求は人として許されないし、女性をモノ扱いしてる証拠だよ。でも、だからこそ佐々木の行動が光るんだよね。闇が深ければ深いほど、勇気は強く輝く。この作品はその対比が鮮烈だったと思う!
『佐々木くんが銃弾止めた』主要キャラクターリスト
- 佐々木:男子学生で川口先生に憧れている。父親は宇宙飛行士だったが、宇宙に行く前に死亡している。月に行くのが夢。
- 川口千恵子:佐々木が通う学校の教師。生徒思いで真面目。
- 桑野:川口先生の高校時代のクラスメイト。東大に合格できるぐらい優秀だったらしい。

川口先生の「生徒を助けて」という言葉に震えた!自分の命や尊厳よりも生徒の安全を優先するなんて、私だったら怖くて言えない。けど、先生は毅然とそう口にした。
あの姿勢は本当に尊敬するし、佐々木が「女神」と呼ぶのも納得できる。怖さや弱さがゼロなわけじゃないと思う。でも、それを乗り越えて生徒を守るって、ものすごい覚悟だよ。こういう強さを持てる大人って、カッコイイって強烈に思わされた!

この作品を読んで一番印象に残ったのは、佐々木君が「憧れの人を守るために命を懸ける」という姿でした。彼にとって川口先生は単なる好きな人ではなく、「女神」のような存在。恋心と尊敬が入り混じったその感情が、彼を突き動かしたのだと思います。
私自身、大人になってから「誰かに憧れて変わろうとする気持ち」を忘れがちですが、この物語はその純粋さを思い出させてくれました。憧れは人を強くするし、時に命を張る覚悟すら生むんですね。
『佐々木くんが銃弾止めた』名セリフ リスト
そう…川口先生は神様だ (佐々木)
じゃあ俺とセックスしてくれよ (桑野)
嫌だ!!!
川口先生とセックスするなよ!!!! (佐々木)
だから…僕は月に行きます…
父さんがいることを確かめるために……! (佐々木)
この世界に0パーセントなんてなくてね
みんなは物凄く小さい確率を
めんどくさいから0パーセントにしているの (川口先生)
佐々木くんが銃弾止めた (女子生徒)
予測不能なラブコメディ『恋は盲目』あらすじ
高校卒業を翌日に控えた生徒会長・伊吹は、長年想いを寄せる後輩のユリを下校に誘う。今日こそ、この秘めた恋心に決着をつけるのだと決意していた。
しかし、二人の下校はまるで神様に試されるかのように、ありとあらゆるトラブルに見舞われる。突然の土砂降りの雨、そしてなぜか現れた強盗……
次々と起こる異常事態!だが、伊吹の脳内は「告白」の一点のみ!果たして伊吹は、様々な障害を乗り越え、ユリに想いを伝えられるのか?

いやぁ、もう読んでて笑っちゃったよ!伊吹先輩、告白しようとしてるだけなのに、なんでこんなに事件が次から次へと起こるんだよ!
突然の雨とか、強盗出現とか、普通なら心折れるでしょ!?でも、伊吹先輩の頭の中はずっと「告白」オンリーっていうのが最高に面白い!
ボクなら絶対「いのちだいじに」で逃げちゃうけど、伊吹先輩は「ユリちゃんに想いを伝える」ためなら何があっても突っ走る。こういうドタバタラブコメって、展開が読めないからめっちゃワクワクするんだよね!

普通なら恐怖の対象でしかない強盗とかまで、伊吹先輩の物語だと「青春のスパイス」に見えちゃった!だって彼の目に映ってるのはユリへの気持ちだけだから。どんな事件もトラブルも、結局は恋を盛り上げる舞台装置になっていくんだよね。
こんなふうに全力で突っ走れるって、すごく羨ましい!青春って不完全だからこそ輝くんだなって強く感じた!
『恋は盲目』主要キャラクターリスト
- 伊吹:男子高校生で生徒会長。海外の大学入学を控え、後輩ユリへの告白を決意している。
- 鴻巣ユリ:生徒会役員として伊吹を支えてきた。押忍が口癖。

ユリさんの「押忍!」という口癖が本当に可愛らしくて、彼女の存在が伊吹君の真剣さを柔らかくしていました。彼女はただ受け身で守られるだけのヒロインではなく、ずっと伊吹君の隣に立って彼を支える役割を果たしていたんだと思います。
だからこそ、この物語は一方的な「片思い」ではなく、二人で作る青春に見えました。トラブルの連続も、二人が一緒にいたからこそ乗り越えられたのでしょう。恋は盲目かもしれませんが、同時に「二人で見る未来」に繋がるのだと思います。

最後まで読んで思ったのは、「恋って美しいけど、すごく重たいものなんだな」ということです。伊吹さんにとってユリさんへの想いは、命よりも地球よりも大事なくらいで、その重さが笑えて、でも同時にジーンとしました。
わたしにはまだこんな恋は分からないけど、いつか同じように誰かを想える日が来るのかな…。そう思うと、少し楽しみで、少し怖くもなりました。
『恋は盲目』名セリフ リスト
一緒に…!
二人で帰宅しないか!!!? (伊吹)
今はそれどころではないのです…! (伊吹)
だがあの目は…!
なにかを決意した男の目!! (早坂先生)
いまっ…それどころですよ…! (鴻巣)
殺し屋と吸血鬼のラブストーリー『シカク』あらすじ
殺し屋として裏社会で名を馳せる少女・シカク。
ある日、彼女に舞い込んできた依頼は、3500年もの間、退屈な日々を送ってきたという不死の吸血鬼・ユゲルを殺すことだった。自身の死を望むユゲルと、彼を殺す依頼を受けたシカク。だが、シカクは暗殺に失敗。
それどころか、殺すはずだったユゲルに恋をしてしまう。
殺し屋少女の初恋はどこへ向かうのか──

いや〜この作品、マジで熱かった!殺し屋の少女と、不死の吸血鬼。どっちも普通じゃない二人が、命のやり取りから恋に変わるとか、最高にドラマチックだよ!
しかもユゲルは「死にたい」って望んでるのに、シカクは彼を殺せない。そこに「本気の気持ち」が芽生えたんだよね。恋って、全てをぶっ壊す力があるっていうのを、読んでて全身で感じた!

ユゲルってさ、3500年も生きてて「退屈だ〜」って言ってるの、なんかすごく分かる気がしたよ。長すぎる時間を過ごしたら、きっと何をしても飽きちゃうんだろうな。
でもさ、そこに現れたのがシカクだったっていうのが運命だよなぁ!ずっと無感動に生きてきたユゲルにとって、シカクはまさに嵐みたいな存在なんだね!恋って、人の心に雷を落とすみたいに一瞬で退屈を吹き飛ばすんだな〜って、青春真っ只中のボクはすごくワクワクした!

藤本先生が39℃の熱を出した時に、こういう時に描いたらどんなものが出来るか?と思ってネームを描いたそうです。ちなみに、胃腸炎の時に描いたネームはボツになったのだとか。
チェンソーマンが未完に終わったら人類の損失なので、ぜひご自愛ください(笑)
『シカク』主要キャラクターリスト
- シカク:凄腕の殺し屋。倫理観が歪んでいて、他者を躊躇なく傷つける。
- ユゲル:齢3500年の吸血鬼。日々に退屈し、自分の殺害をシカクに依頼する。

シカクさんは倫理観が壊れていて、人を殺すことにためらいがない。それなのに、ユゲルさんにだけは恋をしてしまう。そこに私はとても人間的な「純粋さ」を見ました。
人はどれだけ冷酷に見えても、心の奥底に「誰かを愛したい」という気持ちを持っているのだと思います。そしてユゲルさんもまた、死を望んでいたのにシカクさんに心を揺さぶられる。二人の関係は歪んでいるのに、どこかとても真っ直ぐでした。

わたしは、このお話を読んでずっと胸がざわざわしました。ユゲルさんという吸血鬼は、3500年も生き続けてきて、「もう死にたい」と願っているんですよね。普通の人間なら到底たどり着けない長さの時間を、彼は一人で過ごしてきた。
それだけで、彼の心にどれほど深い孤独が積み重なっているのか想像もつきません。友達や大切な人を持っても、きっと彼らはすぐに老いて死んでしまう。だから本気で心を通わせることをやめて、無感動なまま時をやり過ごすしかなかったのだと思います。
そんなユゲルさんの前に現れたのが、殺し屋の少女シカク。本当なら二人は交わるはずのない世界に生きているのに、運命のいたずらのように出会い、ユゲルさんの数千年の孤独を破る唯一の例外になる。
でも、恋って本当にすごく重たいものなんだなって改めて感じました。ユゲルさんにとっては、やっと見つけた光。でもその光は、彼が望んできた「死」とは正反対の方向にあるんですよね。
だから喜びと同時にきっと苦しみも生まれる。シカクに恋をした瞬間から、ユゲルさんは「生きたい」と「死にたい」の狭間で揺れることになる。恋は希望でもあり、同時に呪いみたいにもなるんだなと考えさせられました。
『シカク』名セリフ リスト
…じゃあ、これからはトンボとかをちぎればいいのね?
ごめんなさい! (シカク)
一億やる
俺を殺してみろ (ユゲル)
お前も俺と同じだな
俺と同じかわいそうなやつだ (ユゲル)



